|    
           八卦対手は、またの名を八卦散手、八卦対打、八卦対子という。 
           八卦対子(八卦散手)は、二人或いは多人が各種の擒拿や打撃を使用して勝敗を争う ものである。 
           各家の八卦掌にはいずれも対手訓練の方法が伝わっているが、各家には各家の特徴 があり、この八卦散手は学ぶ者に、技をいかに使用して、本門武術で敵に応じるかとい う知略を与えるものである。 
           招法といえども一門があり、また師伝に従っても各人の体得と発展があれば変化する ことがあるであろう。 
           それゆえに、ここに董海川先師所伝の対手六十四路(六十四回)をまさに公開し、ある 程度、後学の者を先師の伝に従わせることを目的とする。 
           訓練時、二者互いに右手を出し、手首を密着させて走圏をおこなう。走圏は訓練時毎 路二回、一回目は右手を着け、二回目は左手を着けておこなう。 
           二人はまた、先行と後攻、すなわち攻守を入れ換えて訓練をおこない、その後更に左 右を入れ換え、また互いにこれを回避(穿掌回身のこと)し、最後に互いに手を密着させ ておこなう走圏によって毎路締めくくる。ゆえに実際の訓練は四回となる。 
           最も重要なことは、敵(相手のこと)の攻撃を受ける際、敵の攻撃が成る前に敵の攻撃 を封じることであり、この教えに背く招法は負け手である。すべて、穿招、或いは穿臂は 皆、敵が攻撃をしかけたときに穿出しなければならない。 
           僅かな志を数語にこめて、後学に伝える序文とする。 
                                        尹福序 光緒三十三年(丁未)仲夏 
  |