祖国武術は、重要な文化遺産の一部であり、続々とその流れは長く、現在に至るまで
に、すでに数千年の歴史を有している。

 武に携わる者達は、代々疾病との闘争という実践の中に積み重ねた豊実な経験の極
みと同じく、長期にわたって家を守り、国家を防衛し、各種、人類に対して健康で有益な
流派の拳種を創造し、非常に多くの練拳要訣と理論知識を創立してきた。武術の発展
は、祖国に対して非常に多大な貢献をしてきたのである。

 生命は運動に在り。人間の生命は、物質が運動する高級形式であり、日常におこなう
練拳運動であり、それは人の体質を増強し、仕事の効率を高く引き上げることを可能と
し、人の長寿と疾病発生の減少、及び祖国社会主義国家の建設に対して、積極的意義
を有する。

 武術というものは、撃技動作を離れてしまっては、その生命力を失う。八卦掌六十四路
散手は、八卦掌套路中における撃技準則であり、その内容は、擒・拿・率(←手偏)・跌・
錫(←足偏)・打・抓等、非常に多くの招法に包括され、常に、日常的にこれらの招法を練
習すれば、筋骨を増強することができ、関節を動かし病を取り除き、機智は敏捷となり、
身を護り、体質を強くすることについて、非常に優れた作用がある。

 ゆえに、私がこの散手を整理し、公開することは、武術を科学する研究の参考となるも
のを提供し、そして全世界の専門家等に、これを教授することになる。

 我が国、全武術門派のひとつであるこの散手は、清代の武術名家、董海川先師が伝
えられたものである。董海川先師は尹福師に、尹福師は、その子息である尹玉璋師に
伝え給われ、私は路凌雲師兄の紹介により、尹玉璋老師に知遇を得、尹玉璋老師に従
って、この套路の散手を学んだ。尹玉璋老師は、かつて私に「軽々しく他人に伝えるな」
と言って聞かされた。私は多年ずっと、師のその教えを遵守してきた。

 現在、国家体育委員会は、伝統遺産の発掘を何度も呼びかけており、特にこれを整理
することは、研究を提供し、現在整理中の数少ない未定原稿であるものから、糟を除い
て精髄を取り出したものを基礎として、更にこの基礎の中から神髄を抽出し、完全無欠
なものとなし、祖国のこの文化遺産が更に光り輝き、その煌きを増すように努めるもので
ある。


 *この序言は「八卦掌六十四路散手」、裴錫榮著、裴武軍編に附されたものです。


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