甲:腕を採って頭部を劈打する。 乙:肘を拉いて脚を蹴る。

  
 甲と乙は互いに向き合って立つ。双方右足を進め、右手を出して右交手式となる(図,
1)。互いに右手で受けた後、双方右足を右に移し、左足を進め、左手を出して左交手式
となる(図,2)。続いて、左足を左に移し、右足を進めて右手を出し、右交手式となる
(図,3)。



 要点・・・・対練開始時、双方互いに、三・四歩間隔をとり、向かい合って立ち、続いて
円圏を右転する。同時に左足を一歩動かし、双方近づき次第に右交手式となる。このと
き交手式の穿掌は、甲乙共に全身を一致協調させ、歩法・身法は自然に軽やかで、機
敏におこない、足を出すときに扣歩して金的を守る。重心はやや下に落とし、眼は互い
に相手方を見る。


  
 甲は右手を翻して俯掌とし、乙の右手首を採り、同時に左足を進めて乙の右足の後方
に挿入し、乙の右足を封じる。また甲は勢に順って左手で乙の右上腕を握り(虎口は右、
掌心は下に向く)、乙の腰の右側に置き、左肘で乙の右上腕に負荷をかけて押し、右掌
を出して乙の頭部、或いは顔面を打つ。

 乙は左掌で、甲の右腕を下から受ける。

 甲は直ちに左手を乙の左手首につけ、右手で乙の左肘を推し、左前方に乙を押し飛
ばす(図,4・5)。



 要点・・・・甲は乙の右手首を採るとき、機敏に、動作を小さくしてこれをおこない、足を
素早く進め、左膝の内側を乙の右足外側に密着させる。甲の採腕・劈掌・採手按掌の動
作は、一致協調しなければならず、全身の力を用いて短く発勁をおこなう。


  
 乙は甲が左手で乙の左手首を握りに来ると、直ちに手首を翻して、反対に甲の左腕を
握り、右手で甲の左肘の曲がり目を握って下に引く。同時に乙は右足を素早く引き抜
き、甲の左足の後ろに、抜いた右足を挿入し、甲の左足の後ろから、前に向かって、甲
の左足を刈り払う。これを用いれば、甲は右に回転させられ身体を崩される。乙は勢に
乗じて更に甲を推し飛ばす(図,6)。




 
 甲乙双方同時に勢に従いつつ右転身をおこなう(乙は先に一歩退く)。左足を一歩進め
左穿掌をおこない、右掌を右腋の下から後ろに挿し込み、その後再び右後方に転身し
(図,7・8)、右足を一歩退いて左穿掌をおこない(図,9)、更に右足を一歩進めて右穿
掌をおこない交手式となる(図,10)。



 要点・・・・(1)乙は甲に足を封じられて押されても、上体を後ろに仰がせてはならない。
また、勢に順って素早く逆に足を引き抜き、肘を引いて、甲の足を刈り払う。これらの動
作は、迅速に力を用いておこなう。
 (2)甲乙双方、転身・穿掌・換歩は、身体の重心を下げて、これをおこなう。動作は軽
やかに巧みに協調させ、律動的におこなう。また両目は双方互いに相手方を見、締まり
のない、ちぐはぐな動作にならないように注意すること。


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