甲:腕(手首のこと)をつかんで肘を逆にして上へ押し上げる。
乙:臂を挑ね、肋骨を打つ。

  
 甲と乙は右手を接して右交手式となる。これより以下は、いずれの場合も右交手式から
始まる(なお、右交手式は図10と同じ)。
 甲は右手を翻して乙の右手首をとり、水平に真っすぐ引き、同時に左足を進めつつ、
左掌の掌心を上に向けて(左仰掌のこと)乙の右肘を上に押し上げて、逆にして痛める。
この時、甲の位置は、乙の背後に回りこむようにする(図,11)。

  
 乙は左手首を右脇下より穿出し、甲の左手首を撃ち、甲の左腕を高く引き上げ、同時
に右足を引き上げて甲の左足後方に挿し込む。更に乙は勢にしたがいつつ右肘で甲の
左肋(あばら)を打つ(図,12)。

  
 甲は素早く腰を左に向けてひねり、左肘を下に向けて曲げつつ、乙の攻撃を左に受け
流し、乙の左肘を無力化させる。また、同時に左右の足を入れ換えて右掌で乙の左頸部
を打つ(図,13)。



 要点・・・・(1)甲が一歩進みつつ手を翻して、乙の手を採り肘を上に押し上げ逆を極
める技(将腕托肘)は、全身の協調とスピードが要求される。
 (2)乙は甲に手首と肘を捕らえられたらすぐに身体を下に沈め、腰を動かして甲の攻
撃を無力化して脱し、肘で反撃する技(挑臂撃肋)は連続して円滑にこれをおこない、間
接を極められるのを防ぐ。
 (3)甲は乙に肋を襲撃されたら、すぐに身を縮め乙の肘を左腕で受け流す(滾)。同時
に左足を後ろに引き、右足を前に進め、右掌でたたき切る技(肘化劈頸)は、円滑に力
をこめてこれをおこなう。


  
 乙は素早く(閃)左転して身をかわし、同時に右掌で甲の右掌を左方向に劈掛(打ちは
らいつつ掛けるの意)して開く(図,14)。




  
 甲は右前腕で乙の右腕に左に向けて巻きつけるようにからまし、弧形に下に向かって
右掌で水をかくように開く。同時に左に転身する(図,15)。

  
 甲乙双方同時に左に向かって転身する。右足を進め右穿掌し(図,16)、左掌を左腋
下から左後ろに反挿し、左後ろに回身し(図,17)、右足を進め、右穿掌して右交手式と
なる(図,18)。





 要点・・・・(4)乙は閃身後に相手を確実に劈掛(打ち下ろす)するために閃身の動作
が大き過ぎとならないようにする。また、同時に腰の力を使って右掌で甲の掌を打ちはら
う。
 (5)双方腕を硬直させないようにし、甲の腕は勢いに乗じて肩を軸として、乙の腕にか
らみつくように接する。また、双方いっしょに両腕はぴったりくっつけたままの状態でまわ
る。
 (6)本路の動作の托肘(肘を押し上げる)、頂肋(肋を肘で突き上げる)、劈?(たたき
切る)、纏臂(腕をからみつける)は律動的にはっきりとおこない、連続して全身を強調さ
せる。


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